初めて名古屋でジャズを聴く

 名古屋にジャズクラブなんてないだろう。ブルーノートがあるのは知っているが、そういった世界チェーンではない独立系と言うか名古屋コーチン的地ジャズのお店は皆無だろう。若干差別的に、そう思っていた。あるんですよそれが、てんで連れて行ってもらった所、聞けば地元では老舗と呼ばれているらしい。
 自分が入店したのは、1ステージ目の終了間際だった。しかし、、、、やってる曲がジャズじゃない! ゆるゆるとコロナビールなど飲みつつ待つうちに2ステージ目スタート。ん? またジャズじゃない。が土曜日の夜らしい曲だし良しとする。
 2曲目より歌のおねいさん登場。スタンダード大会となる。素朴と言うかとても伸びやかな歌唱に、ほっこりと気持ち良くなってくる。
 で、ポップな日本語の曲が始まったところで、自分の身体の動きが止まった。ミディアムテンポのエイトビートだったから? 間もなくディストリビュートされるプロダクトの一部コンテンツだったから? アドリブパートがなく一期一会の事件性に乏しかったから? 自身の身体性に根差す極めて具体的な体験を、乱暴に四捨五入したような歌詞のせい? 何とでも言えるがそれはそれ。
 再びスタンダードナンバーでアンコールまで心地よいグルーヴが続いてくれた。