著作権切れのアノニマスなメロディから

 より自由なはず(と思ってしまいがちな)のオリジナル曲よりも、むしろ「お約束」のスタンダートが、その人のグルーヴを引き出すのはなぜか? 端折って言えば、それはスタンダードナンバーとは、「詠み人知らず」のアノニマスなメロディにほかならないということ。
 もう一段端折って。「ジャズの10月革命」の中心人物の一人でもあったミルフォード・グレイヴスさんが、9月4日京都でのライヴの際に語り、共演者の土取利行さんが通訳してくれた言葉。
「ビ・バップもフリージャズも同じ一つの流れ、つまりどちらも歌であるということです」