夢の中でも自分はアロハシャツだった。なぜかチョッパーハンドルのハーレーに跨り、夕日の射す荒野をゆるゆると走っている。♪freedom? oh,freedom……と、頭の中でイーグルスデスペラード*1が聞こえて来るような、少し感傷的なテンション。とかゆーてああ、自分はまた今年も突然何の脈絡もなく近所のレンタルビデオ屋へ走り『イージーライダー*2を借りて観てしまうのだろうか。はっきり言って、これまでに投じたレンタル代はもう充分DVDを買えるぐらいの金額に達している。
それでもまあいい。人間には、時々アロハシャツに着替えて愛だとか自由だとか、おかねじゃ買えないものについて考える機会が必要なのだから。
ということで、おかねで買える本を紹介させていただこうと思う。

おかねじゃ買えないもの…言うた瞬間赤面してしまいそうな恥ずかしさだが、恥ずかしいついでにビール飲みながら読む本としては、

◇麻枝光一『マリファナ青春旅行〈上〉アジア・中近東編 (幻冬舎アウトロー文庫) 』『マリファナ青春旅行〈下〉南北アメリカ編 (幻冬舎アウトロー文庫)幻冬舎アウトロー文庫

なんかどうだろう。タイトルも恥ずかしいが、文庫の名前もたいがい恥ずかしい。本当に恥ずかしい。やめとけよお前ら。でも、この本はちょっと大切かも知れない。その昔ドラッグ本をいっぱい出していた出版社から出ていたもので、自分も立ち読みした覚えがあるが、いろんな奴がこれを読んでしょーもないことに憧れたり、俺が知ってるのと違うゾかなんか自慢げにほざいてみたり、やっぱ青春やね。ナチュラル&フレンドリー、それでいて馴れ馴れしくないな語り口も心地よく、著者の人柄を彷彿させて何だか嬉しい。ちなみに、愛と自由を求めての旅=トリップという運動は、魔術修行とパラレルで捉えることができる。てか、それをしないとC.S.的に魔術は死んでしまいます。良くてせいぜいマインド遊園地。

もしも魔術がオタクごのみのマインド遊園地でないとするなら、このへんもC.S.的に必読。雰囲気で何となく反キリストなお茶目さんの場合はなおのこと必読。

ニーチェ,F/適菜訳『キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 (講談社+α新書)講談社+α新書

「真理」と「真理であるという信仰」は別物であるということ。「罪」の意識の理不尽さ。ぶっちゃけ、みんなそろそろ何とかしたいと思っているはずで、2005年の新訳はタイムリー。自分は原語で読んだ訳ではないし読めもしないから、訳文のできがどうだとか、そんな話はできないけど、アカデミックなスタイルに抵抗がある人、真面目に考えるほどに本質からハズレてしまいがちな人とかには特にオススメしたいと思う。
『私たちはやっと、過去十九回もの世紀が誤解してきたこの問題を、理解できるようになってきたのです。つまり、「神聖なウソ」に戦いを挑む誠実さを身につけたわけです。』
と著者は書いているが、最新の「過去の世紀」において、人々は誠実だったか? とか、各自New Aeon的に問い直されたい。



セレマ魔術の実践には、これを。

◇Orpheus,R_Abrahadabra: Understanding Aleister Crowley's Thelemic Magick_SamuelWeiser