セルカン先生に質問

 MOTTAINAIに続いて、今年世界的に流行しそうな日本発のキーワードはKITANAIです。とタイプしてみたがンな訳ないでしょーが。
 「エコ」の時代に、昔の日本人が普通に持っていたらしい「モッタイナイ感覚」復権みたいなことを考えて宣伝したら、地球レベルでそれ良いね。だいじだよね。と、ともかくそういうことになった。北欧家具に限らずNEXT STANDARDはUNIVERSALとREGIONALが交わるところから生まれる。と常日頃思っている自分は、早速、ここ日本で古来より個々の生身の人間に脈々と受け継がれてきたかもしれない文化的遺伝子を、“その気になりさえすればある感覚をスグ呼び出せる”という資源を、ほじくってみようとした。…で、結構悲観的なことに。あれ? 俺ってこんなネガティブな奴やった?
 たとえば「ケガレ」というコンセプトが、20世紀後半の日本が社会のインフラをがっしり創り上げていく上でプラスに作用したことはたぶん間違いないだろう。ところが「インフラフリー」なんて考え方が出てきたりする今となっては、というか少なくとも今後10年、それこそが超えるべき大きな障壁であり続けるんじゃないか?
 
 2月5日木曜日、アニリール・セルカン*1の講演を聞く機会があった。「宇宙の視点から見た未来の地球環境」という大きなテーマと自身の半生をシンクロさせながらのゆるくシャープな語り口に、ゆるく激しい興奮を覚えた次第だが、序盤でセルカンさんは、11/9*2と9/11*3のヴィジュアルをシンメトリーで見せ、物質の壁は崩壊したが心の壁は相変わらず強固であり、世界中でいろんな問題を起こしていることをさらっと指摘した。はーん、やっぱり。なかなか劇的なカタチでは現れないが、ねちねちと陰湿なカタチでそれが強固に存在し続けているのが今の日本という訳だ。
 もちろん「インフラフリー」の話も出た。
 言わずもがなの説明、になってない説明を中途半端に入れてみると、たとえば、太陽光発電のシステムを取り入れた住宅は電力関係のインフラを必要としない*4そして、それを徹底してやり切れば、現在の技術水準でかなりのことができるという話。もちろん、通信環境はフリーではない。と言うより、既にネットはインフラですらないということか。
 ところで、ここでも問題は「心の壁」だ。

 尿を濾過して飲料水を抽出することは可能*5だが、オシッコからつくったキレイな水を、人が「キレイな水」として受け入れることはなかなかに難しい*6。…セルカンさんはそのあたりを指して再度「心の壁」という言葉を使った。

 最後のQ&Aタイムで自分は挙手し続けたが、質問の機会は得られなかった。
 自分が聞きたかったのは以下の3点である。

Q1.セルカンさんは、オシッコを「キタナイ!」と思われますか?

Q2. セルカンさんは、オシッコからつくったキレイな水を「キレイな水」として、抵抗なく飲めますか?

Q2.多くの人が感じるであろうこの抵抗感を克服するための具体的な戦略はお持ちですか?

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3

*2:1989年のこの日ベルリンの壁が壊されたんよね

*3:例の、飛行機が突っ込んだ直後のWTC

*4:そんな簡単なもんじゃないですよ。という指摘を先日某Fraterよりいただいた。皆さんお分かりとは思うが、私の言うことはいつも相当いい加減なのでご注意を。あくまで状況はそっち方向に動いてるみたいよ。程度に理解されたい

*5:逆浸透膜浄水器とか、かなり昔に聞いたような気がする。ウチのクリンスイと比べて法外に高かったが

*6:災害時等マジで切羽詰った状況下にある場合を除く