月と六地蔵

 紅い月の晩。吹雪に晒されている六体のお地蔵さんたちがあまりに寒そうなので何とかしてあげたい。とは言え、自分たちにできることは何もない。
 当たりどころのない歯がゆさにブチ切れたのか、六人の女たちは一斉にパンツを脱ぐになると、あろうことか、己がじしホカホカのそれを電光石火の早業で最寄りの地蔵の頭に被せてしまった。



 さて、吹雪もおさまった小春日和のある日、こころやさしい六体の地蔵様一行は、各だいじそうに、見るからにフェミニンなパンツを手に手に抱え街へと繰り出したのであるが…
 「おいコラお前たち何やってんだ!」
 温かい慈悲心もろともあえなく検挙されてしまった。