耳かき店を巡る状況・入門篇

 誤解を招くかも知れないが、所要でちょっと歌舞伎町へ行って来た。だから今回のエントリにおける風俗は、かなりの勢いで狭義の風俗ないしはフーゾク寄りです。と、輪をかけて誤解を召喚しておく。
 キャバクラの開店時間が早いとか、流石は歌舞伎町と思わせるような部分もあれこれあったが、そんなことより、ありましたありました「耳かき店*1」の看板。要するに膝枕で耳かきをしてくれるとこらしく、朝日新聞でも紹介されるなど、利用者層以外の人々の間でも急速に知られはじめていると見て良さそう。
 そもそも耳かき店が増え出したきっかけは05年、『耳かきが医療行為にあたるかどうか、それまではっきりしなかったが、介護現場からの要望を受けるなどして同年7月、厚生労働省が医療行為にはあたらないという通知を都道府県に出したこと』であるというから、実は、ぜんぜん最近の話とは言えんのだけれど。何ぞそれ? という方は、取り敢えずリンク先を参照されたい。

耳かき店に「恋愛」求め…土日行列 警察、実態つかめず
http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY200908070052.html



 何と21世紀的でマージナルな業態だろう。医療行為や理美容行為との境界が微妙、性的サービスとの境界*2が微妙、施術者と客との関係が微妙…まあ、これに関してはいきなり最悪の事件が起こってしまい説明するのも気が重いのでリンク先を参照してほしい。

【衝撃事件の核心】“勘違い男”続出? 耳かき店の「ひざまくらマジック」は常連客をストーカーに変えた
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090809/crm0908090801011-n1.htm



 気分の悪いニュースだが、耳かき店という業態の登場が、メイドカフェ以来のエポック*3であることに変わりはない。今後も何度となくネタにすることになるだろう。





*1:リンク先でも触れられているように、一口に耳かき店と言っても、その内容にはかなりの幅があるようだ。また、「歌舞伎町の耳かき店」と「秋葉原の耳かき店」ではハッキリと傾向が分かれている、などという状況も、もしかするとあるのかも知れない。知らんけど

*2:性的サービスとの境界で言えば、たとえば、上のリンク先にもあるように「耳に息を吹きかける」といったサービスは、既にマージナルどころかある意味そのものとも言える。このことからも、耳かき店は、メイドカフェ以上にセクシュアルな要素が大きい業態であるとして問題ないだろう

*3:メイドカフェ以降に現れた新業態と言えば、執事カフェのような逆転バーション、もしくはメイド・リフレクソロジーに代表される“併せ技”ばかりが目立っていたように思う。これは言ってみれば「健康と中南米が流行ってるから薬用ドンタコスでいきましょう」みたいなもので、C.S.的には特に注目するには及ばない