洗ってやらん!

 いきなりワタクシゴトで恐縮ですが、初めてOTOのイニシエーションを受けた翌年、911*1同時多発テロ*2が起きた。国書刊行会版『法の書』を開封しても何も起こらなかったが、OTOに入ると、確かにテロが起きてしまったのである。以来、それが良いことか悪いことかは分からないが、自分にとってMagickとは、個人の問題では済まないクエストであり続けている。
 で、アナタゴト。セレマはすぴりちゅあるのユニバーサルデザインです。なぜなら、そのグランドデザインは、決してあなたのルーツを否定するものではないからです。あなたを育んだ環境も、あなたを支えてきた信仰も、セレマを志すにあたって捨てなければならない対象ではありません。なぜなら
 …あかん、とてもやないが書き続けられん。早くもカラダのあちこちが痒くなってきた。
 確かに、<ルーツを否定しない>のはその通りだが、もう一方の事実もペアでお断わりしておかねば片手落ちという若干差別用語的なことになるだろう。



 <セレマは、存在の連続性を断つものではありません>



 ぜひ覚えておいていただければと思う。
 OTOのイニシエーションは、それこそ、象徴的に生まれ変わりを体験することでもある。ただし、参入者の過去の体験や現在の記憶、神秘的ぶってカルマ、科学的ぶってDNA、などなどを洗ってはくれない。平たく言えば、そうそう気持ちよく騙してはくれない。また、ビジネスでオカルトや神秘を商材として扱う団体ではないため「顧客満足」を追求することはない。その必要もない。C.S.という概念すらない。さあ、あなたは変わりました! もう、悩む必要はないのです!…と言ってもらいたい願望の人は、絶対に相手にしない方がいい団体だろう。
 存在や物事の連続性から目を背けること、または、それに気付かないこと、そこに起因する薄っぺらなポジティブシンキング*3などなど、それらすべてを自分たちは良しとしない。と、取り敢えず。夏ですねっ!

*1:文化圏とは何か? ともかく、これ以前と以降で、Magickは大きく変わった。もちろん、そんなことには一切関係なくMagickはMagickであり続けているし、筋金入りの修行者は、自分と違ってその程度のことでうろたえたり、いちいちぴーぴー騒いだりしない。しかし少なくとも、文化という漠とした総体の中におけるmagickの位相を俯瞰した場合、その意味するところは、すっかり変わってしまったと言わざるを得ない。そんな訳で、自分が現代魔術と言う場合、単純には911以降の魔術を指しているとご理解いただいて問題ない

*2:故なきポジティブシンキングの徒はそうは考えないだろうが、愛さえあれば解決するといった問題でないことはお分かりだと思う。そう思いたい。信じたい。…この「たい」即現実というのが故なきポジティブシンキングの特徴である

*3:故なきポジティブシンキングの是非、あるいは、商売であるなしを問わずその普及(布教)に尽力する者の功罪は、やがて歴史が明らかにしてくれるだろう。故なきポジティブシンキングを実践し、自分のような人間をネガティブに陥れたいなら、まずはブルース・リー言うところのDon't think, Feel! を我田引水的に曲解し、「見ざる」「聞かざる」「言いまくる」の3原則を貫くことだ。あなたは決して現実を直視してはいけない。アングルを変えてみたりズーム・イン/ズーム・アウトを繰り返すなどもってのほかだ。また、それについて考えてもいけない。ただ、あなたはあなた、そのままでいればいい。ただし禅者の言うようなそれではなく、わたしの語るそのまま(ベタ)の意味において。必要に応じ、あなたの愛に満ちた妄想を強化するため、適時セレマ的アイテムを活用すればいい。何、著作権なんて関係ないさ! そしてやがて、ラア・ホール・クイトの凄まじき天罰のエクスタシーを予期せずして体験してほしい。なんて、大乗セレマイトとして誓って本意ではありませんが。どうしようもない流れというものは、やはりあるのでしょう