梅田北ヤードの森



 いきなり昨年の話題で申し訳ないが12月27日、関西経済同友会が、大阪駅北地区〜通称「梅田北ヤード」〜再開発の2期区域を「緑と水の公園」にしましょうという提言を、5つのモデルプランとともに発表。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20110105/544987/
 梅田北ヤードと言えば、無謀にもワールドカップを誘致しようとしていた段階でサッカースタジアムができるはずだったが、大方の予想通り落選したことだしスタジアムではなく森に…と橋下知事が発言*1。また言うたはるわ、と自分は半分夢の中のような心地で聞いていた。その割に、ある種の明晰夢のような無視できないリアリティを伴っていたのは、生コン業界のストなどの影響で工事が遅々として進まない、という現実があったせいで。
 「森」ではなく「公園」という形が落としどころとして万事都合いいんやねきっと。などと世の中を斜めに見ている風な発言をする前に、自分は「森」のイメージを取り違えていたことを認めなければならない。都市の森は「森ガール」ファッションで入ることのできる「森」なのだった。さらに自分は、5つの案の中の「グリーンリバー」を「グリーンバー」と読み違え。脳内カウンター席では宮崎あおい扮するビオトープ管理士がフィトンチッド・フィズをダブルで注文し、新米バーテンダーまねきねこダック形のボトルから間違ってフロンを注いでしまって大騒ぎ。もちろん、都市と自然の問題は茶化して済むようなことではないのだけれど、「やっぱり大阪は…」という古舘伊知郎の声が聞こえた気がして何とはなしに腹が立ってきた。
 自分が救われたのは、「メディアフォレスト」というコンセプト。ネーミングとして今や何のインパクトもなく、目新しさのカケラもなく、具体的にどうしたいのか、よく分からないところもありつつ。“このまま”から“そのまま”へのモーションみたいな、目の前のWorkとしてある感じ。ワイルドな森でもなく、森ガールの森でもなく、リアルのメタ森的。



汝の森を創ってみたら?

*1:「森」とは言っていたが、知事の脳内イメージはNYのセントラルパーク的なものだったようだ。狭い上どこがセントラルやねんという感じではあるが、まあ、ここで鬱蒼とした森を思い浮かべる方もどうよという話。ちなみに橋下知事は、関西経済同友会の提言に対しては早速その日のうちに支持を表明