昔カッコ良かったことが今こんなにもカッコ悪いという例

 文学界(本当は旧字体だけど)2月号の対談で村上龍曰く、デビュー作『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞した際のコメント中、両親に感謝の意を表し、この受賞を両親に捧げる旨述べたところ、文壇の大先輩から、君は何を言っているのか。親兄弟を捨てて書くのが文学であり、そういう生き方を無頼と言うのだ。と、お叱りを受けたそうだ*1。ここ何十年かの間に起こった日本人の美意識の変化をおさらいする上で、非常に分かりやすいエピソードである。
 ところで、今、文学って何なんだろう。最早「文学」なんてくくりには何の意味もないほどに拡散しているのか。あるいは反対に、文学のための文学として趣味的に洗練されつつ自己完結しているのか。もちろんどちらも正解で、そんなことよりエジプトな訳ですが、芥川賞*2選考会後の村上龍氏のコメントはこちら。
http://video.jp.msn.com/watch/video/rvr-%E7%AC%AC144%E5%9B%9E%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E4%BD%9C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-hd/53a0ungt



 2ちゃんねる川上未映子関連スレッドが複数立っている。
http://find.2ch.net/?STR=%C0%EE%BE%E5%CC%A4%B1%C7%BB%D2
 盗作疑惑なども複数出ているようだ。事実関係については自分の関知するところではないしどうでもいいのだが、そんなもん作品の最後に"RESPECT TO ××××"て書いたらしまいちゃうの、と個人的には思う。





 文学じゃないけど、金麦のCMは男性に好評で女性には不評とか。ああなるほどねと妙に納得。

*1:当時の文壇の大御所だから既に故人である可能性が高い。しかし、氏は自分を批判した先輩の名を明らかにしていない。生きているつまり反論できる相手のことは名指しで書くが、反論できない相手については名前を伏せるというのがこの人なりのモラルなのだろう。決して好きな作家ではないが、このへんの愚直なまでに頑ななデリカシーは個人的にリスペクトの対象である

*2:もちろん、芥川賞だけが文学ではない。そこいらへんは、ノーベル文学賞だけ追っかけてたんではバロウズなんか名前すら出てこないのと同じ