錯乱のアラビアNEW AEON

 政治と宗教の話だけは書かないようにしよう。ブログ開設時にそう誓った訳ではないが、むしろ男らしくせっくすネタに専念しようとするも体力が続かず、食べ物ブログに点心を量ろうとすると微妙に太りはじめ、結局ゆるく魔術精神世界ネタなど取り上げてお茶を濁すに、宗教の話とかぶること避けがたく、そうなればもう、政治とは一切無関係ですなどと言い続けるのもしらこいことこの上なく。そんな次第で今までのことは全てなかったことにしようと思う。
 で、エジプトがらみの話。エジプトだけの話じゃなくて。民主化への動きとか人権とかを切り口に語るといった模範セレマイト的紋切型表現を自粛した場合何が言えるか? などとストイックなことを言い出すつもりはさらさらないけど。たとえば、イスラム文化圏であるアラブ世界の国家の場合、この調子で民主化が進んだ時、果たして、政治的に親米親イスラエルなどという立場は有りうるのだろうか? と単純に思う訳です。
 時間をバックスクロールして911関連の報道を思い出してほしい。メディアは-都合の悪いことが起こってしまったときの常ではあるが-テロを「一部の頭のおかしい人たちがやったこと」として処理しようとした。ところが、マスメディア的に「頭のおかしい人」が必ずしも少数派ではないということはスグにバレはじめ、世論誘導という手法の限界も明らかになった。日本人的には、結局どっちもどっちと言うか、一神教って、やっぱり、根本的にちょっと、アレなんじゃないの*1であったし、世界的にも、宗教の聖典中の記述をそのまま史実と受け取るのは流石にマズイだろうといった常識的理性的正論がある一方で、現実に、そこに書かれていることを根拠に国際政治が動いていたりする部分もあったりするんだということを、遅ればせながら思い知ったという人も少なくない筈だ。
 そして、今起こっているのは、幸いにして特に狂信的でもな*2く、これまでのところこのての動きにしては暴力度も高くない*3。つまり、どんなにクリエイティブでアクロバティックなロジックを駆使しても、「頭のおかしい人がやらかしたことです」では片付かないということである。


 ということで、ヤバイ*4本を発掘。

聖書アラビア起源説

聖書アラビア起源説





マクドナルドのドナルドさん処刑される 

*1:一神教がヤバイといった話はかねてよりヒソヒソ話題にされていたと思うが、3〜4年前には、そこいらへんの切り口の本も何冊か出版され、かなりオモテの話題にもなった。実は、西洋魔術関連の古典文献に接する際しばしば閉口するのもこの一神教至上主義的世界観だったりするのである。かなり暴言に近いが、カバラのルーツだって実は…ね。何でもかんでも無条件で無闇に有り難がる態度を敬虔とか言うのはそろそろ終わりにしましょうzu。ぜんぜん関係ないが、「必読」とか言われて佐々木俊尚『キュレーションの時代‐「つながり」の情報革命が始まる』を立ち読みしていると、これからの魔術結社の役割について説教されたような気がしてすみませんという気持ちになった

*2:<狂信的な>勢力が、この機に乗じて台頭する恐れ…みたいなことを指摘する識者〜でなくても言えるわなそれぐらい〜もいるようだが、そのあたりをことさらに強調する報道姿勢には、ある種の意図を感じない訳にいかない

*3:後日追記:>今回のエジプトの件で何人死者が出たかご存知ですか?/通信社の伝える数字の信憑性がどの程度のものか見当もつかないし、正確な数字など知るべくもないのだが、思いっきり控えめに言っても、死者の大半はデモを鎮圧しようとした側の暴力によって殺されたとものと想像する

*4:古い文献に出てくる地名のデータと、現実に残る地名のデータをいっぱい集めて比較検討するという、どちらかと言うと激しく地味な研究から導き出された答は、要するにイスラエルという国は、旧約聖書的に間違った場所に建てられてしまった千年王国‐危うく千円王国になるところであった‐である可能性が高いというもの