脳の内と外

 この時自分が感じた<外側>とは、家の窓の外とも、駅のホームの白線の外側とも違う、<無限の外側>のようなもの。もちろん、通常の意識状態でそんなものを観じるなどできない相談で。そもそも、人間にとって<無限>など何の実感も伴わない抽象概念でしかない。ところで、その<外側>は脳の中にあるのだろうか?
 ジョン・C・リリーなら、きっとYesと答えるんだろう。なぜか自分は、そう思い込んでいた。そこへ上記の遠迫発言。自分は興奮すると同時に、すべての唯脳論的言説に対する失望を改めて自覚した。心、意識、不思議なこと、素敵なこと、すべては自分の脳の中にある…。そんな考え間違いに決まっている。否、正しいとしても面白くない!